キク科
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カレープラント: 特徴と育て方

Curry-Plant
伊東 春乃

カレープラントは、銀白色の葉と黄色い小さな花が特徴の多年草です。葉から放たれるスパイシーな香りがカレーに似ていることからこの名で呼ばれますが、料理用のカレーリーフとは異なる植物です。地中海沿岸を原産とし、乾燥に強く、香りや見た目のユニークさから庭や花壇のアクセントとして重宝されています。

この記事では、カレープラントの基本情報、文化的背景、歴史的なエピソード、育て方について紹介します。

基本情報

  • 学名: Helichrysum italicum
  • 科名: キク科(Asteraceae)
  • 原産地: 地中海沿岸地域
  • 外観: 細長い銀白色の葉が密に茂り、初夏から夏にかけて黄色い小花を房状に咲かせます。葉には独特の芳香があり、見た目と香りの両面で楽しめる植物です。
  • 開花時期: 6月〜8月

世界各地での文化的特徴

カレープラントは、その独特な香りと銀白色の美しい葉で、ヨーロッパを中心に観賞用植物として親しまれています。

フランスやイタリアでは、ドライフラワーやポプリの素材として活用されることが多く、香りを楽しむ室内装飾として用いられてきました。銀色の葉は太陽の光を反射し、乾燥地帯の庭園でも映えるため、南欧ではロックガーデンや庭園の縁取りとして利用されています。

また、香りのある植物としてアロマガーデンにも取り入れられ、視覚だけでなく嗅覚も楽しませてくれる存在として重宝されています。その美しさと香りから、個性的な庭づくりを好む人々の間で高い人気を誇っています。

花の歴史的エピソード

カレープラントは、古代地中海世界で「不死の花(イモータル)」として知られていたHelichrysum属の植物のひとつです。この属は乾燥しても形や色がほとんど変わらず、長く美しさを保つことから、古代ギリシャやローマでは花輪や装飾に使われていました。

中世ヨーロッパでは、乾燥に強く強い香りを放つこの植物が、家屋や教会の周囲に植えられ、悪霊や病気から身を守ると信じられていました。

近代に入ると、イタリアやフランスの庭園で観賞用として栽培されるようになり、その装飾的価値が高く評価されるようになります。

今日ではナチュラルガーデンやドライガーデンの定番植物として広く植えられています。

ガーデニングアドバイス

カレープラントは比較的手間がかからず、独自の風合いを長く楽しめる植物です。以下のポイントを参考に育ててみましょう。

日照

日当たりの良い場所を好みます。日照不足になると香りが弱くなり、葉色もくすみやすくなります。

水やり

乾燥に強く、過湿を嫌います。地植えでは基本的に水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合は土の表面がしっかり乾いてから控えめに与えます。

土壌

水はけのよい砂質土が適しています。多湿な環境では根腐れの原因になるため、通気性のよい用土を使用しましょう。

肥料

肥料は控えめで問題ありません。生育初期に緩効性肥料を少量与える程度で十分です。

剪定

花が終わった後に軽く刈り込むと、株姿が整い、新芽の発生も促されます。春先には枯れ枝を取り除く程度の剪定を行うとよいでしょう。

耐寒性

比較的温暖な気候を好みますが、軽い霜には耐えられます。寒冷地では鉢植えにして冬場は室内に取り込むと安心です。

まとめ

カレープラントは、銀白色の葉と小さな黄色い花を持ち、見た目と香りの両方を楽しめる多年草です。

地中海沿岸に自生し、ヨーロッパでは香りを生かした装飾植物として古くから親しまれてきました。古代から中世にかけては神聖な意味をもつ植物とされ、近代以降は庭園やアロマガーデンでの利用が進んでいます。

乾燥に強く、特徴的な葉色が庭のアクセントになるため、個性ある植栽を目指す場面で活躍します。香りと彩りを楽しめるこの植物を取り入れて、庭に新しい魅力を加えてみてはいかがでしょうか。

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