ボタンクサギ: 特徴と育て方

ボタンクサギは、夏から秋にかけて咲く香り高い花と大きな葉が特徴の多年草です。見た目が牡丹の花を思わせることから「ボタン」に、葉が薬草として知られるクサギに似ていることから「クサギ」と名付けられました。庭植えにも適し、花壇やナチュラルガーデンのアクセントとして人気があります。
この記事では、ボタンクサギの基本情報、文化や歴史、育て方のポイントを紹介します。
基本情報
- 学名: Clerodendrum bungei
- 科名: シソ科(Lamiaceae)
- 原産地: 中国南部
- 外観: 高さ1〜1.5m程度に育つ多年草で、大きなハート形の葉を持ちます。茎の先にピンク色の小花が球状に集まって咲き、開花時には甘い芳香を放ちます。葉はやや粗い質感で、茎はやや赤みを帯びます。
- 開花時期: 7月〜9月
世界各地での文化的特徴
ボタンクサギは、主に東アジアやヨーロッパで観賞用植物として親しまれてきました。
中国では古くから庭園植物として栽培され、その見事な花姿と香りが好まれてきました。葉の形や花の香りが風水において良いとされ、庭の「気」を整える植物として植えられることもあります。
ヨーロッパでは19世紀ごろに紹介され、イギリスやフランスなどではエキゾチックな雰囲気を演出する植物として注目されました。香りと花の美しさから、コテージガーデンや香りのある花壇に取り入れられるようになり、アジア由来の観賞植物として位置づけられています。

花の歴史的エピソード
ボタンクサギは19世紀初頭に西洋へと紹介されました。ヨーロッパでは、当時中国植物に対する関心が高まっており、多くの園芸家や植物学者がアジア原産の植物を収集していました。
その中で、中国南部に自生していたボタンクサギも注目を集め、観賞価値の高い植物として植物園や貴族の庭に植えられるようになりました。
学名「Clerodendrum bungei」は、19世紀のドイツ人植物学者アレクサンダー・フォン・ブンゲ(Alexander von Bunge)に由来しています。ブンゲはアジア各地を巡り、多くの植物を分類・記録した人物であり、ボタンクサギもその活動の中で紹介されたものの一つとされています。
日本では江戸時代に導入され、独特の香りと華やかな花姿から観賞用として普及しました。和名の「牡丹臭木」は、花が牡丹に似ていることと、葉の香りから名づけられたものです。和の庭だけでなく、山野草としても好まれ、風情ある風景の一部を形作っています。
ガーデニングアドバイス

ボタンクサギは比較的育てやすく、しっかりと管理すれば毎年美しい花を楽しめます。
日照
日向から半日陰の場所で育ちます。十分な日光があると花つきがよくなりますが、真夏の直射日光が強すぎる場所では葉焼けに注意が必要です。
水やり
地植えでは乾燥が続かない限り頻繁な水やりは不要です。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。過湿は根腐れの原因となるため注意してください。
土壌
水はけのよい土壌を好みます。一般的な草花用培養土に腐葉土やパーライトを混ぜて使うと、根張りがよくなります。
肥料
春から夏にかけて月1回程度、緩効性の肥料を与えると花つきが向上します。肥料の与えすぎには注意しましょう。
剪定
花が終わった後、全体のバランスを見ながら軽く切り戻すことで、株姿が整い、翌年もよく育ちます。
繁殖
地下茎でよく増えるため、必要に応じて掘り上げて間引きや株分けを行いましょう。放置すると周囲に広がりやすい傾向があります。
まとめ
ボタンクサギは、中国原産で、夏に甘く香るピンクの花を咲かせる多年草です。
江戸時代に日本に導入され、和の庭にも自然になじむ植物として親しまれてきました。その華やかな花姿と独特の芳香は、東西を問わず人々を惹きつけ、19世紀にはヨーロッパでも広く栽培されるようになりました。
比較的育てやすく、花壇やナチュラルガーデンに彩りと香りを加える存在として、今も多くの園芸家に愛されています。
