シソ科
PR

カキオドシ: 特徴と育て方

Glechoma-hederacea
伊東 春乃

カキオドシは、ツル状に広がる草姿と愛らしい青紫の花が特徴の多年草です。地面を這うように伸びて広がるため、グラウンドカバーとしても親しまれています。春から初夏にかけて咲く花は、やわらかな色合いで庭に落ち着いた印象を与えます。

この記事では、カキオドシの基本情報、文化的背景や歴史、育て方について詳しく解説します。

基本情報

  • 学名: Glechoma hederacea
  • 科名: シソ科(Lamiaceae)
  • 原産地: ヨーロッパからアジア西部
  • 外観: 地面を這うように伸びる茎をもち、春になると青紫色の小さな花を咲かせます。葉は丸みがあり、縁に浅い切れ込みがあります。茎や葉には細かな毛があり、触れるとハーブらしい香りを感じます。
  • 開花時期: 4月〜6月

世界各地での文化的特徴

カキオドシは、ヨーロッパの伝統的な庭園や修道院の回廊などで、地面を覆う植物として用いられてきました。その這うように広がる姿は、石造りの庭や建物の隙間を自然に彩る要素として好まれ、芝や苔の代わりに景観の一部として取り入れられることもありました。

修道院の庭園では、実用性を備えた植物とともに、自然な風合いを保つ植物が選ばれる傾向にあり、その中にカキオドシのような多年草も含まれていたとされています。

日本では道端や野原に自生する姿が身近で、春を告げる草として古くから親しまれてきました。庭に植えて観賞するよりも、自然の風景の中でその存在を受け入れてきたという経緯があり、野草のひとつとして文化に溶け込んでいます。

花の歴史的エピソード

カキオドシは中世ヨーロッパの修道院庭園において広く育てられていた植物のひとつです。

当時の修道院では、薬草や食用植物と並んで、景観を整える役割を持つ植物も育てられており、カキオドシのように這うように伸びる多年草は、庭の空間を自然に整えるものとして重宝されました。

17世紀以降、ヨーロッパで庭園文化が発展すると、野に咲くような自然な花々が好まれるようになり、イングリッシュガーデンやカントリーガーデンの様式の中で、こうした草花が再評価されました。人の手を加えすぎない庭づくりの一例として、カキオドシも庭園設計の素材として取り入れられるようになりました。

ガーデニングアドバイス

カキオドシは環境への適応力があり、日陰の場所でも育てやすい植物です。自然な庭づくりやナチュラルガーデンの一部として、以下の点に気をつけながら育てましょう。

日照

明るい日陰から半日陰を好みます。直射日光の強い場所では葉焼けを起こすことがあります。

水やり

地植えの場合は降雨で十分育ちます。鉢植えでは、土の表面が乾いたら適量の水を与えましょう。湿りすぎには注意が必要です。

土壌

水はけのよい土壌が適しています。腐葉土を多めに加えると、根が広がりやすくなります。

肥料

肥料は控えめにします。春に少量の緩効性肥料を施すだけで十分育ちます。

剪定

茎が伸びすぎた場合は、切り戻しを行うことで形を整えられます。風通しをよく保つことで、病害虫の発生も抑えられます。

耐寒性

比較的寒さに強く、暖地では冬でも緑を保ちます。寒冷地では地上部が枯れても、春には新芽が出て再生します。

まとめ

カキオドシは、春に青紫の花を咲かせ、地面を這うように広がる多年草です。ヨーロッパでは修道院庭園などで古くから育てられてきた背景があり、自然との調和を感じさせる庭づくりに適した植物とされてきました。

日本でも道端や野原で見られ、季節の移ろいを感じさせる草として親しまれています。日陰の場所でも育ちやすく、ナチュラルガーデンのグラウンドカバーとしても活躍します。広がる姿を楽しみながら、庭に静かな彩りを加えてくれる植物です。

¥6,480 (2025/04/02 09:28時点 | Amazon調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場
記事URLをコピーしました